ガチンコ
2014|ネオンサイン|750 × 250 mm
もともと「ガチンコ」とは相撲用語である。プロレスにおいてはシュートやセメントとも言われ、現代では「本気」を意味する口語として広く日常的に用いられている。一般的には「八百長」の対義語とされているが、そもそも八百長とは、事前に勝敗について取り決めがある上で試合が行われることである。とすればその逆は、純粋なスポーツになるだろう。では「ガチンコ」とは何か? 「事前に勝敗について取り決めがあるにもかかわらず、意思の齟齬やアクシデントによって、勝負がわからなくなること」ではないか。つまり「ガチンコ」は、スポーツ / 八百長という二元論にはなく、そのあわいのグレーゾーンにはじめて発生するのだ。