《Writing Style》

《Writing Style》

Writing Style
2012|パネル、原稿用紙、ラッカー

キャンバスの代わりに文字を書き連ねた原稿用紙を支持体として一面に張り、その上にラッカースプレーで「Writing Style」(=文体)と書き綴った。文字は「記号」であると同時に「線」でもある「画(デッサン)」だ。「記号」と「線」の両義性こそが、文字の本質である。この文字の特性を鑑みて、私が真っ先に思い至ったのは、グラフィティであった。現代において文字の美的な《物体》化を端的に実践しているのは、言うまでもなくグラフィティであろう。グラフィティは、「メッセージ」=「記号内容(シニフィエ)」と、「文字表現」­­=「記号表現(シニフィアン)」が、すなわち「記号」と「線」が、《書き言葉》=「文字=筆跡(エクリチュール)」として、非常に高度な形で結び合った「書体(スタイル)」を持つのだ。ちなみに、この作品の「書体」は、映画『Wild Style』(チャーリー・エーハーン, 1982)に依拠している。

Writing Style
2012|パネル、原稿用紙、ラッカー

キャンバスの代わりに文字を書き連ねた原稿用紙を支持体として一面に張り、その上にラッカースプレーで「Writing Style」(=文体)と書き綴った。文字は「記号」であると同時に「線」でもある「画(デッサン)」だ。「記号」と「線」の両義性こそが、文字の本質である。この文字の特性を鑑みて、私が真っ先に思い至ったのは、グラフィティであった。現代において文字の美的な《物体》化を端的に実践しているのは、言うまでもなくグラフィティであろう。グラフィティは、「メッセージ」=「記号内容(シニフィエ)」と、「文字表現」­­=「記号表現(シニフィアン)」が、すなわち「記号」と「線」が、《書き言葉》=「文字=筆跡(エクリチュール)」として、非常に高度な形で結び合った「書体(スタイル)」を持つのだ。ちなみに、この作品の「書体」は、映画『Wild Style』(チャーリー・エーハーン, 1982)に依拠している。