ニュー・フラット・フィールド

Main visual

名称:ニュー・フラット・フィールド
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)
会期:2017年11月11日〜11月12日
参加作家:石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信
主催:NEWTOWN制作委員会(CINRA.NET、PONY CANYON、DUM DUM)
展覧会ディレクション:石井友人、中島晴矢、原田裕規
会場構成協力:佐藤研吾、帆苅祥太郎
展覧会グラフィック:仲村健太郎
撮影:Katsura Muramatsu

 

『ニュー・フラット・フィールド』開催に際して

『ニュー・フラット・フィールド』は、ニュータウンを舞台にした、アーティストたちによる企画展です。会場は多摩ニュータウンにある旧三本松小学校の校舎で、会期中に複数の企画展示やトークイベントが予定されています。
なぜこの場所で展覧会が開かれることになったのでしょう?──その理由は、今から約25年前、本展ディレクターのひとりである石井友人がこの学校に生徒として通っていた事実にまで遡ります。「ニュータウン」と一口に言ってみたところで、実際には一概に語ることが難しいニュータウンにおける多様な生に寄り添うために、ニュータウン「について」語るのではなく、ニュータウン「から」語ることを目指し、本展は企画されました。
本展の企図は、ニュータウンについて「語り尽くす」ことではなく、ニュータウンについて当事者の立場から「語り損なう」ことにあります。
なぜなら、ニュータウンには多様な生の様態があり、そこから生まれる表現もまた多様であるため、それらを一度に語り尽くすことは到底できないからです。そのため、本展を通してニュータウンの「語り損ない」が生み出され、それを「語り直す」ために今後も展覧会が必要とされ、全国各地に拡張したニュータウンのように『ニュー・フラット・フィールド』が拡張していくことを目指します。
展覧会ディレクションは石井友人・中島晴矢・原田裕規が担当。参加作家・登壇者には、石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信の15組が名を連ねます。
いま・ここにニュータウン「から」生まれる多様な表現を、そしてその「語り損ない」を、ぜひ目撃しに来てください。

 

 

ディレクターズ・メッセージ

ぼんやりと遠くを見ていた。
目を閉じると光だけが残った。
──小林のりお『LANDSCAPES』(1986年)


光の記憶。
かつて想像された未来空間へ実際に立ち会った時、新しかったはずのこの場所へと向けられる、複雑な感情をどのように表現すれば良いのだろう? 『ニュー・フラット・フィールド』という展覧会は、20世紀に誕生した郊外空間を舞台としながら、そのような問いに端を発しています。理想郷としてのニュータウン/新しい街は、とうに新陳代謝を失い、色褪せ、透明だった窓たちは半透明なものへと変化したように思われます。
そこで、人々によって生きられた空間を、眺めることから始めてみる。
そして、人工都市に漂う浮遊感の中に、微細な、変化の兆候を見出すよう努めてみる。
『ニュー・フラット・フィールド』の「New」は、新しさを謳いながら、必ずしも新しさを意味することなく、まるで、もう一度その新しさを生き直しているかのようです。そこには、多層的な新しさが重なり合います。
何も起きることのない平坦な戦場(※)を、一息に駆け抜けた私たちは、かつて夢見た未来空間を確かに生きています。しかしながら、私たち自身は、その未来に追いつくことは決してなく、別の未来へと向けて歩み始めます。
それは、表層的な既視感の中で、未だかつて誰も見たことのなかった、新しい風景となることでしょう。

※ウィリアム・ギブソン『愛する人(みっつの頭のための声)』(1989年)、岡崎京子『リバーズ・エッジ』(1994年)

石井友人

名称:ニュー・フラット・フィールド
会場:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)
会期:2017年11月11日〜11月12日
参加作家:石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信
主催:NEWTOWN制作委員会(CINRA.NET、PONY CANYON、DUM DUM)
展覧会ディレクション:石井友人、中島晴矢、原田裕規
会場構成協力:佐藤研吾、帆苅祥太郎
展覧会グラフィック:仲村健太郎
撮影:Katsura Muramatsu

 

『ニュー・フラット・フィールド』開催に際して

『ニュー・フラット・フィールド』は、ニュータウンを舞台にした、アーティストたちによる企画展です。会場は多摩ニュータウンにある旧三本松小学校の校舎で、会期中に複数の企画展示やトークイベントが予定されています。
なぜこの場所で展覧会が開かれることになったのでしょう?──その理由は、今から約25年前、本展ディレクターのひとりである石井友人がこの学校に生徒として通っていた事実にまで遡ります。「ニュータウン」と一口に言ってみたところで、実際には一概に語ることが難しいニュータウンにおける多様な生に寄り添うために、ニュータウン「について」語るのではなく、ニュータウン「から」語ることを目指し、本展は企画されました。
本展の企図は、ニュータウンについて「語り尽くす」ことではなく、ニュータウンについて当事者の立場から「語り損なう」ことにあります。
なぜなら、ニュータウンには多様な生の様態があり、そこから生まれる表現もまた多様であるため、それらを一度に語り尽くすことは到底できないからです。そのため、本展を通してニュータウンの「語り損ない」が生み出され、それを「語り直す」ために今後も展覧会が必要とされ、全国各地に拡張したニュータウンのように『ニュー・フラット・フィールド』が拡張していくことを目指します。
展覧会ディレクションは石井友人・中島晴矢・原田裕規が担当。参加作家・登壇者には、石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信の15組が名を連ねます。
いま・ここにニュータウン「から」生まれる多様な表現を、そしてその「語り損ない」を、ぜひ目撃しに来てください。

 

 

ディレクターズ・メッセージ

ぼんやりと遠くを見ていた。
目を閉じると光だけが残った。
──小林のりお『LANDSCAPES』(1986年)


光の記憶。
かつて想像された未来空間へ実際に立ち会った時、新しかったはずのこの場所へと向けられる、複雑な感情をどのように表現すれば良いのだろう? 『ニュー・フラット・フィールド』という展覧会は、20世紀に誕生した郊外空間を舞台としながら、そのような問いに端を発しています。理想郷としてのニュータウン/新しい街は、とうに新陳代謝を失い、色褪せ、透明だった窓たちは半透明なものへと変化したように思われます。
そこで、人々によって生きられた空間を、眺めることから始めてみる。
そして、人工都市に漂う浮遊感の中に、微細な、変化の兆候を見出すよう努めてみる。
『ニュー・フラット・フィールド』の「New」は、新しさを謳いながら、必ずしも新しさを意味することなく、まるで、もう一度その新しさを生き直しているかのようです。そこには、多層的な新しさが重なり合います。
何も起きることのない平坦な戦場(※)を、一息に駆け抜けた私たちは、かつて夢見た未来空間を確かに生きています。しかしながら、私たち自身は、その未来に追いつくことは決してなく、別の未来へと向けて歩み始めます。
それは、表層的な既視感の中で、未だかつて誰も見たことのなかった、新しい風景となることでしょう。

※ウィリアム・ギブソン『愛する人(みっつの頭のための声)』(1989年)、岡崎京子『リバーズ・エッジ』(1994年)

石井友人