明暗元年

Main visual

名称:美学校ギグメンタ2018「明暗元年」
会期:2018年6月30日〜7月16日
撮影:皆藤将、間庭裕基
展覧会レビュー:アート・ランブル第5回「平成最後の明と暗」(中島晴矢)
エキシビション
名称:The Calm Before the Parade
会場:space dike
参加作家:田上杜夫、立岩有美子、中島晴矢、新名庸生、三原回
会場:sheepstudio
参加作家:アキオコボリ、長 雪恵、かみむらみどり、高橋宏忠、野村はる、堀家由紀子、宮嵜浩
松蔭浩之、三田村光土里
名称:FABULOUZ
会場:spiid
参加作家:FABULOUZ(佐久間洸+間庭裕基+万福)
名称:INTO THE ABYSS
会場:デトロイトコーンクラブ
参加作家:F(田中萌子+原多果林+若榮沙耶)
名称:2人だけの国
会場:あをば荘
参加作家:齋藤はぢめ、田中良佑
名称:報復 -RETALIATION-
会場:まぼろし空間ユブネ
参加作家:田田野
会場:float
参加作家:上條信志、杉野晋平、チキン・コルマ

 

明暗元年

松蔭浩之と三田村光土里による講座「アートのレシピ」の20名以上に及ぶ修了生有志は、東京下町エリアの7会場を中心に、グループ展「明暗元年」を開催する。
今上天皇退位後の2019年5月1日、皇太子の新天皇即位をもって新元号となる見通しだ。「平らかに成る」とした現今の元号が、この30年余りの世相を反映していたかはさておき、私たちは、ここに新元号を「明暗」と仮定する。先行きが不分明なこの国の現在において、明か暗か、その差異=コントラストの内において、あり得べき未来を想像してみたいのだ。
そもそも、光と影を捉まえることは美術の根幹だろう。デッサンは言うに及ばず、たとえばカメラの起源は、ラテン語で「暗い部屋」を意味する装置「カメラ・オブスクラ」だった。被写体の光線を暗箱に投射し、射影された像を得る。すると原理的に、その像は反転された形で映し出される。では、私たちの「アート」なる針穴を通して浮かび上がる、倒立した、逆さまの、パラレルな立像は、果たして如何なるものなのだろうか。
夏目漱石の長編小説『明暗』は絶筆として未完に終わっている。物語と同様、言うまでもなく結末の見通せない現実の中、各々のやり方、各々のスタイルで、かそけきイメージは結ばれるだろう。その刹那、未だ見ぬ「明暗元年」の項が開かれるはずだ。

中島晴矢

名称:美学校ギグメンタ2018「明暗元年」
会期:2018年6月30日〜7月16日
撮影:皆藤将、間庭裕基
展覧会レビュー:アート・ランブル第5回「平成最後の明と暗」(中島晴矢)
エキシビション
名称:The Calm Before the Parade
会場:space dike
参加作家:田上杜夫、立岩有美子、中島晴矢、新名庸生、三原回
会場:sheepstudio
参加作家:アキオコボリ、長 雪恵、かみむらみどり、高橋宏忠、野村はる、堀家由紀子、宮嵜浩
松蔭浩之、三田村光土里
名称:FABULOUZ
会場:spiid
参加作家:FABULOUZ(佐久間洸+間庭裕基+万福)
名称:INTO THE ABYSS
会場:デトロイトコーンクラブ
参加作家:F(田中萌子+原多果林+若榮沙耶)
名称:2人だけの国
会場:あをば荘
参加作家:齋藤はぢめ、田中良佑
名称:報復 -RETALIATION-
会場:まぼろし空間ユブネ
参加作家:田田野
会場:float
参加作家:上條信志、杉野晋平、チキン・コルマ

 

明暗元年

松蔭浩之と三田村光土里による講座「アートのレシピ」の20名以上に及ぶ修了生有志は、東京下町エリアの7会場を中心に、グループ展「明暗元年」を開催する。
今上天皇退位後の2019年5月1日、皇太子の新天皇即位をもって新元号となる見通しだ。「平らかに成る」とした現今の元号が、この30年余りの世相を反映していたかはさておき、私たちは、ここに新元号を「明暗」と仮定する。先行きが不分明なこの国の現在において、明か暗か、その差異=コントラストの内において、あり得べき未来を想像してみたいのだ。
そもそも、光と影を捉まえることは美術の根幹だろう。デッサンは言うに及ばず、たとえばカメラの起源は、ラテン語で「暗い部屋」を意味する装置「カメラ・オブスクラ」だった。被写体の光線を暗箱に投射し、射影された像を得る。すると原理的に、その像は反転された形で映し出される。では、私たちの「アート」なる針穴を通して浮かび上がる、倒立した、逆さまの、パラレルな立像は、果たして如何なるものなのだろうか。
夏目漱石の長編小説『明暗』は絶筆として未完に終わっている。物語と同様、言うまでもなく結末の見通せない現実の中、各々のやり方、各々のスタイルで、かそけきイメージは結ばれるだろう。その刹那、未だ見ぬ「明暗元年」の項が開かれるはずだ。

中島晴矢