丸木美術館にて開催中の『望月桂 自由を扶くひと』について、美術手帖WEBで僕の展評「望月桂の不敬なユーモア──未来派・アナキズム・へちま」が公開されました。生半可な展示じゃなかったので心して取り組みました。歯応えのあるレビューが書けたと思います。
望月桂の「制作と運営」を軸に、キュレーションの前提を確認してから、大正の時代状況を背景に大杉栄とアナキズム思想を掘り下げ、望月作品を未来派や不敬文学と絡めて論じました。全体として日本現代美術史のルーツを探る「美術批評」になってるかと。
同時に「文芸批評」としても書きました。今回、望月桂をめぐる言説に僕なりに接続したのは、横光利一、小林多喜二、中野重治、深沢七郎といった近代文学のコンテクスト。浅羽通明『アナーキズム』、渡部直己『不敬文学論序説』、未来派「寄席宣言」なども引用してます。ご一読ください。そして、ぜひ丸木美術館へ!