川崎ミッドソウル──アフター『ルポ 川崎』

「川崎ミッドソウル──アフター『ルポ 川崎』」

名称:川崎ミッドソウル──アフター『ルポ 川崎』
参加作家:細倉真弓、磯部涼  feat. dodo
特別寄稿:「磯部涼×細倉真弓『川崎ミッドソウル』 アフター『ルポ 川崎』」(CINRA.NET)

川崎はふたつの顔を持っている。その地名を聞いたときに、ニュータウンと工場地帯という相反する光景が浮かぶだろう。あるいはそれは、平穏だが退屈な土地と、刺激的だが治安が悪い土地というイメージに置き換えられるかもしれない。そして、そういったふたつの側面は、各々、川崎市の〝北部〟と〝南部〟が担っているといえる。
2015年12月に連載が開始されたノンフィクション『ルポ 川崎』(文章:磯部涼、写真:細倉真弓)では、同年2月と5月に川崎市の中心地である南部:川崎区で起こった中一男子生徒殺害事件と簡易宿泊所火災事件を取っ掛かりに、地元のラップ・グループ:BAD HOPを案内人に、街に依然として残る貧困や暴力の問題、年々拡大する移民問題をレポートした。また、2017年12月に刊行された単行本においては、それらを現代の日本が隠蔽する問題だと位置付けている。
一方、川崎市南部では川崎駅に直結したショッピングモール<ラゾーナ川崎>を始めとして、近年、再開発が進んでもいる。中でも、市の中心部に位置し、南部とも中部とも括られる中原区の武蔵小杉駅周辺にはタワーマンションが立ち並び、かつての工場地帯は中流層の考える〝住みたい街〟へと生まれ変わった。つまり、かつてシンガーソングライターの小沢健二が〝川崎ノーザンソウル〟と呼んだ川崎市北部のニュータウン的な精神性は、川崎市全体を、ひいては日本全体を覆い隠しつつあるのだろうか。
磯部涼による新作ルポと、細倉真弓による新作ヴィジュアルからなる今回の展示では、中原区で育ち、現在も同地で制作を続けているラッパー:dodoを案内人として〝川崎ノーザン≒ミッドソウル〟なるものについて考える。

名称:川崎ミッドソウル──アフター『ルポ 川崎』
参加作家:細倉真弓、磯部涼  feat. dodo
特別寄稿:「磯部涼×細倉真弓『川崎ミッドソウル』 アフター『ルポ 川崎』」(CINRA.NET)

川崎はふたつの顔を持っている。その地名を聞いたときに、ニュータウンと工場地帯という相反する光景が浮かぶだろう。あるいはそれは、平穏だが退屈な土地と、刺激的だが治安が悪い土地というイメージに置き換えられるかもしれない。そして、そういったふたつの側面は、各々、川崎市の〝北部〟と〝南部〟が担っているといえる。
2015年12月に連載が開始されたノンフィクション『ルポ 川崎』(文章:磯部涼、写真:細倉真弓)では、同年2月と5月に川崎市の中心地である南部:川崎区で起こった中一男子生徒殺害事件と簡易宿泊所火災事件を取っ掛かりに、地元のラップ・グループ:BAD HOPを案内人に、街に依然として残る貧困や暴力の問題、年々拡大する移民問題をレポートした。また、2017年12月に刊行された単行本においては、それらを現代の日本が隠蔽する問題だと位置付けている。
一方、川崎市南部では川崎駅に直結したショッピングモール<ラゾーナ川崎>を始めとして、近年、再開発が進んでもいる。中でも、市の中心部に位置し、南部とも中部とも括られる中原区の武蔵小杉駅周辺にはタワーマンションが立ち並び、かつての工場地帯は中流層の考える〝住みたい街〟へと生まれ変わった。つまり、かつてシンガーソングライターの小沢健二が〝川崎ノーザンソウル〟と呼んだ川崎市北部のニュータウン的な精神性は、川崎市全体を、ひいては日本全体を覆い隠しつつあるのだろうか。
磯部涼による新作ルポと、細倉真弓による新作ヴィジュアルからなる今回の展示では、中原区で育ち、現在も同地で制作を続けているラッパー:dodoを案内人として〝川崎ノーザン≒ミッドソウル〟なるものについて考える。