《Close Window》

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Close Window
2019|フランス窓のミニチュア、ペンキ、ガムテープ|75 × 60 × 4 cm
地区 : 渋谷区桜丘町

渋谷は再開発の真っただ中にある、まさに「普請中」の街だ。
特に駅周辺は、2020年を目処に大規模な開発プロジェクトが進行しており、日夜その風景を変化させている。なんでも、回遊性の高い立体的な歩行者動線「アーバン・コア」を整備して、9つの「複合施設」を建設するらしい。じじつ、既に渋谷ヒカリエを皮切りとして、渋谷ストリームや渋谷スクランブルスクエアといった商業ビルが続々と開業している。
それに伴い、西口から246を渡った先にある桜丘町一帯も、ずっとフェンスで囲われていて、気づけば町そのものがなくなってしまった。小さな個人商店の多いその辺りは、渋谷の“裏”という感じで気に入っていて、昔からよくぶらついていた。
更地になる直前に覗きに行くと、あらゆる建物の窓ガラスに「※」で貼られたガムテープが、妙に印象的だった。空の向こうには、アミダクジみたいなファサードのビルが峙っている。これから渋谷は、その最上階に取り付けられた「Google」のロゴにずっと睥睨されることになるのだ。
マルセル・デュシャンは、第一次世界大戦後の1920年に、レディメイド作品として《フレッシュ・ウィドウ [なりたての未亡人] 》を制作した。小型のフランス窓に黒い革で覆われたガラスをはめ込んだそのオブジェは、窓外の視界を頑なに閉ざしている。
閉じられ、そして再び開かれる渋谷の窓からは、その先の景色を見通すことができるのだろうか?

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2019|フランス窓のミニチュア、ペンキ、ガムテープ|75 × 60 × 4 cm
地区 : 渋谷区桜丘町

渋谷は再開発の真っただ中にある、まさに「普請中」の街だ。
特に駅周辺は、2020年を目処に大規模な開発プロジェクトが進行しており、日夜その風景を変化させている。なんでも、回遊性の高い立体的な歩行者動線「アーバン・コア」を整備して、9つの「複合施設」を建設するらしい。じじつ、既に渋谷ヒカリエを皮切りとして、渋谷ストリームや渋谷スクランブルスクエアといった商業ビルが続々と開業している。
それに伴い、西口から246を渡った先にある桜丘町一帯も、ずっとフェンスで囲われていて、気づけば町そのものがなくなってしまった。小さな個人商店の多いその辺りは、渋谷の“裏”という感じで気に入っていて、昔からよくぶらついていた。
更地になる直前に覗きに行くと、あらゆる建物の窓ガラスに「※」で貼られたガムテープが、妙に印象的だった。空の向こうには、アミダクジみたいなファサードのビルが峙っている。これから渋谷は、その最上階に取り付けられた「Google」のロゴにずっと睥睨されることになるのだ。
マルセル・デュシャンは、第一次世界大戦後の1920年に、レディメイド作品として《フレッシュ・ウィドウ [なりたての未亡人] 》を制作した。小型のフランス窓に黒い革で覆われたガラスをはめ込んだそのオブジェは、窓外の視界を頑なに閉ざしている。
閉じられ、そして再び開かれる渋谷の窓からは、その先の景色を見通すことができるのだろうか?